●紹介（ChatGPTより）
神奈川県愛甲郡愛川町田代に蔵を構える大矢孝酒造株式会社は、文政13年（1830年）創業の老舗酒蔵であり、約200年の歴史を誇る。丹沢山系の清らかな伏流水に恵まれた愛川町の自然環境の中で、代々受け継がれてきた伝統技術と新たな挑戦を融合させた酒造りを続けている。蔵の理念は「地の水と米で、食に寄り添う酒を醸す」というものであり、地域の風土を反映した日本酒造りにこだわってきた。
蔵が立地する愛川町は、水源豊かな丹沢山系の麓に広がる自然の多い地域である。仕込み水には、硬度の低い丹沢水系の伏流水を使用しており、この清冽な水が大矢孝酒造の酒に雑味のない透明感と柔らかな口当たりをもたらしている。原料米には徳島県産「山田錦」や長野・山形県産「美山錦」を中心に、岡山県産の無農薬・無化学肥料栽培の「雄町」なども採用。良質な米と水を厳選し、自然の恵みを最大限に引き出した酒造りを行っている。
大矢孝酒造は2008年以降、蔵で造る全ての酒を「純米酒」に限定し、醸造アルコールを一切使用しない“全量純米蔵”として再出発した。この方針転換は、酒の原点に立ち返る試みとして全国的にも注目を集めた。また、全国でも生産量がわずか1％といわれる伝統的な「生もと仕込み」にも挑戦しており、複雑で深みのある旨味と、骨格のしっかりした味わいを実現している。蔵人たちは一種類の酵母を基盤に据えつつ、麹づくりや温度管理を0.5度単位で調整し、米の状態を見極めながら繊細な発酵を進めている。その緻密な造り込みが、飲む人に自然の力強さと蔵の誠実さを感じさせる。
代表銘柄は「残草蓬莱（ざるそうほうらい）」で、江戸時代からの地名「残草」に由来する。酒名には「自然と共に生きる」という蔵の精神が込められており、食事と共に楽しむことを意識した設計が特徴である。ラインナップは「純米大吟醸 出羽燦々」「純米吟醸 美山錦」「槽場直詰生原酒」など多岐にわたり、フルーティーな香りと爽やかな酸味を持つ「おりんごください」シリーズなど、個性的な銘柄も多い。特にリンゴ酸高生産性酵母を使用した酒は、和製シードルのような軽やかで華やかな味わいを持ち、女性や若い層にも人気が高い。
その酒質は、香りを追い求めすぎず、米の旨味と後味のキレを重視している。冷酒ではすっきりと軽快に、常温やぬる燗では米の甘味と旨味がふくらむ構成で、四季折々の料理と調和する。蔵元自身も、愛川町の山菜や鮎、イノシシや鹿といった山里の恵みとともに味わってほしいと語っており、まさに「地酒」という言葉の本質を体現している。
大矢孝酒造の酒は、「愛川ブランド」にも認定されており、地域を代表する特産品としての地位を確立している。伝統に裏打ちされた技術と、時代に合わせた柔軟な発想で進化を続ける同蔵は、神奈川県を代表する純米蔵の一つとして、今なお多くの酒愛好家を魅了してやまない。
●戦利品
「残草蓬莱 純米吟醸」1,870円
すべて純米だけど、大吟醸、吟醸、特別純米、純米酒とラベルの色が異なっています。
さて、どれにしようか悩ましいところでしたが、一番コストとのバランスがよさそうな純米吟醸の赤ラベルにしました。
