スコッチ・ウイスキー

英国スコットランドで製造されるウイスキーのこと。

2009年スコッチ・ウイスキー規則により定義され、糖化から発酵、蒸留、熟成までスコットランドで行われたウィスキーのみがスコッチ・ウィスキーと呼ばれる。

■2009年スコッチ・ウイスキー規則
①スコットランドの蒸留所にて、水および発芽させた大麦(これに他の穀物の全粒のみ加えることができる。)から蒸留されたもの

②蒸留液がその製造において用いられた原料およびその製造の方法に由来する香りおよび味を有するよう、94.8パーセント未満の分量のアルコール強度に蒸留されたもの

③700リットル以下の容量のオーク樽においてのみ熟成されたもの

④スコットランドにおいてのみ熟成されたもの

⑤3年以上の期間において熟成されたもの

⑥物品税倉庫または許可された場所においてのみ熟成されたもの

⑦製造および熟成において用いられた原料ならびにその製造および熟成の方法に由来する色、香りおよび味を保持しているもの

⑧一切の物質が添加されておらず、または水、無味カラメル着色料を除く一切の物質が添加されていないもの

⑨最低でも40%の分量のアルコール強度を有するもの

■スコッチ・ウイスキーの歴史

1707年にスコットランド王国がイングランド億国と合同し、新たに成立したグレートブリテン王国の一部となり、1725年にウイスキーに対する課税が大幅に強化されたことで密造が盛んになりました。

1820年代に税率が大幅に引き下げられるまでの間、スコットランドで諸費されるウイスキーの半分は密造酒であったという説もあります。

ウイスキーの製法の多くは密造時代に確立しました。

生産者はウイスキーを樽に隠して補完した結果、長期間樽の中に入れられたウイスキーが琥珀色をした香味をもつ液体」へと変貌を遂げることが発見されました。

1860年に、それまで異なるウイスキーを混合させてはならないと定めていた法律が改正され、保税貯蔵庫内であれば混合が可能となったことで、モルトウイスキーとグレーンウイスキーを混合したブレンデッドウイスキーと呼ばれるスコッチウイスキーが誕生しました。
ブレンデッドウイスキーの考案以降、「スコッチの歴史はブレンデッドの歴史」と評されます。

■蒸留所の分類

スコットランド各地にはモルトウイスキーだけで100を超える蒸留所が存在します。

伝統的には酒類生産免許に関する規制の違いに基づき、ハイランド、ローランド、キャンベルタウン、アイラの4地区に分類されます。

ハイランドからとくに蒸留所の数の多いスペイサイドと、オークニー諸島などの島嶼部(アイランド)を独立させ、6地区に分類する方法も採用されています。

2009年スコッチ・ウイスキー規則は、スペイサイドをハイランドから独立させる形でハイランド、ローランド、スペイサイド、アイラ、キャンベルタウンの5つの地域を伝統的な生産地域に定め、その保護を謳っています。

-ハイランド
ダンディー – グリーノック間の想定線以北をハイランド地方といい、およそ40の蒸留所が存在します。

土屋守によると製造されるウイスキーは様々で共通する特徴を見いだすのは難しい。

吉村宗之によるとピートがして飲みごたえのあるものが多く、北部ほどその傾向が強いです。

一般にハイランドは東西南北の4地区に分類されます。

-スペイサイド
ハイランド地方東部のスペイ川およびデブロン川、ロッシー川の流域をスペイサイドといい、スコットランド全土の約半数、およそ50の蒸留所が存在します。

大麦の収穫量が多くピートが豊富な地域で、密造時代にはおよそ1000の密造所が存在しました。

土屋守は、「スペイサイドモルトは、全モルト中で最も華やかでバランスに優れた銘酒揃い」と評しています。

-ローランド

ダンディー – グリーノック間の想定線以南をローランド地方といいます。

かつては多くのモルトウイスキー蒸留所がありましたが衰退し、1995年の時点で操業しているのは3箇所です。

ちなみにグレーンウイスキーの生産やブレンド、麦芽製造については今なおローランドで最も盛んに行われています。

他の地区の2回蒸留に対し3回蒸留を伝統としていましたが、2008年3月の時点で3回蒸溜を行っているのはオーヘントッシャンのみです。

穏やかな風味のウイスキーが多いです。

-アイラ

ヘブリディーズ諸島の最南端に位置するアイラ島には8つの蒸留所があります。

蒸留所は海辺に建てられており、その影響からアイラ・モルトはヨード臭がし、さらにピート由来のスモーキーさを持ちます。

アイラ島は気候が温暖で大麦の栽培に適し、ピートが豊富で良質の水が手に入ることから、伝統的にウイスキー造りの盛んな地域です。

-キャンベルタウン

キャンベルタウンは、キンタイア半島先端にある町です。

かつては30を超える蒸留所が存在し、モルトウイスキー造りの中心地でしたがが衰退し、2008年3月の時点で3箇所のみとなっています。

禁酒法時代のアメリカに向け粗製濫造のウイスキーを密輸したため、禁酒法が解除になった際に見向きもされなくなったのが大きな原因とされています。

キャンベルタウンモルトの特徴としては「香り豊かで、オイリー、塩っぽい風味を持つこと」が挙げられます。

-アイランズ

アイランズとは、オークニー諸島、スカイ島、マル島、ジュラ島、アラン島にある6つの蒸留所をいいます。

これは蒸留所が島にあるという地理的な分類であって、アイランズ・モルトに共通する特徴は見られません。

2009年スコッチ・ウイスキー規則では独立させずにハイランドに含まれています。

スコッチはウイスキーの中でも最も奥が深いですね。

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